ネット周辺情報

【楽天が1141億円の赤字】それでも楽天モバイルが大丈夫だと言い切れるたった1つの理由

2月12日に発表された楽天株式会社の決算が話題になっています。
売上が前年比15%増の1兆4,555億円だった一方で、1,141億円の大赤字を計上しました。

セグメント別の成績を見ると、モバイルセグメントの損失が大きいです。
モバイルセグメントの足を引っ張ってる感は否めません。

■楽天株式会社セグメント別収益及び利益(2020年12月期)

インターネットサービス(EC・トラベル 他)
売上収益 8,201億円
セグメント利益 401億円
フィンテック(カード・銀行・証券・保険 他)
売上収益 5,761億円
セグメント利益 812億円
モバイル
売上収益 2,271億円
セグメント利益 △2,269億円

 

少し前に楽天モバイルが大幅な割安プランを提示した直後の赤字の業績発表なので、インパクトは大きかったですね。

ただ、この件に関しては結論から言うと、大丈夫です
これで楽天モバイルが無くなることも無いですし、まして楽天が潰れることもありません。

そう言い切れる理由はたった1つ。
楽天には大量の現金(キャッシュ)があるから。

saiga
saiga
今日の記事ではなぜ現金があれば楽天モバイルは大丈夫なのか、どうして楽天はそんなに現金を持っているのかを話します。

楽天に現金(キャッシュ)があれば楽天モバイルが赤字でも問題無し

ここで楽天の現金残高を測るキャッシュフローを見てみましょう。

■楽天株式会社キャッシュフロー(2020年12月期)

営業活動によるキャッシュフロー 1兆413億円のプラス
投資活動によるキャッシュフロー 3,033億円のマイナス
財務活動によるキャッシュフロー 8,081億円のプラス
全体 1兆5,427億円のプラス

現金が1年間で大幅に増えていることが分かります。

この大量の現金が、今の楽天の柱です。

大前提として、企業は現金(キャッシュ)を調達できれば存続できます
いくら赤字が出ても現金があれば問題無いのです。

もちろん、現金を調達する方法が売上と利益だけの会社だと、赤字は会社の存続に直結します。
しかし、楽天はそうではありません。

楽天は2つの強みによって大量の現金調達を可能にしています

大量の軍資金を集める楽天の金融事業(楽天銀行・楽天証券)

1つ目の強みは金融事業です。
楽天は関連会社として幾つかの金融事業を展開しています。
楽天銀行や楽天証券、楽天生命保険などがそれにあたりますね。

楽天と言えば、多くの人はECを思い浮かべると思います。
ですが、今の楽天の事業で注目すべきなのはこれら金融事業です。
楽天は今期、銀行や証券の事業によって大量の現金を集めました。それによって営業活動のキャッシュフローは1兆円以上のプラスになっています。

そこらの会社では真似できない強大な資金調達力です。

金融事業こそが今の楽天の圧倒的な強みの1つと言えるでしょう。

多額の借入が可能な楽天の圧倒的な信頼と期待値

楽天が大量の現金を集めることが出来るもう一つの強みが金融機関からの圧倒的な信頼と期待値です。

財務活動によるキャッシュフローに目を向けると、こちらも多額のプラスを計上していることが分かります。今回、このキャッシュフローのプラスに計上している内訳の大半を構成しているのが、8,300億円以上の借入(長期・短期含む)です。

早い話が巨額の借金をしているんですが、これだけの現金を借り入れることが出来るのは優良企業だからに他なりません。金融機関は将来収益を上げるという見込みがあるからこそ、現金を貸すのです。

巨額の借入額は、金融機関からの信頼と期待値の裏付けと言って良いでしょう。

成長を続ける金融事業と金融機関からの信頼と期待値。
この2つの強みによって、楽天は大量の現金を確保出来ているのです。

楽天のビジネススキーム=現金調達の仕組みを確立して新規事業に投資する

金融事業と借入で集めた大量の現金を元手に、楽天は新規事業を仕掛けています。

楽天モバイルは大赤字です。投資活動によるキャッシュフローによると、有形固定資産と無形資産の取得で3,800億円の現金を使っています。この多くが楽天モバイルの先倒しの設備投資でしょう。それの減価償却費に人件費や運営費その他が乗れば、大赤字になるのは当たり前です。

ですが、楽天グループ全体としては何の問題もありません。前述してきたように潤沢な現金を確保出来ているからというのがその理由です。

現金を集める仕組みを確立し、新規事業に投資する。

これが楽天のビジネススキームです。
文字にすると単純ですが、そう簡単に出来る仕組みでは無いです。
それを楽天は確立させることに成功しました。

今の状態なら、三木谷さんが「楽天モバイルから撤退する」と言うまでは楽天モバイルは無くならないでしょう。

そして、楽天は当面の間、楽天モバイルから撤退するつもりは無いと思います。

モバイル事業に対する楽天の姿勢は本気です。
本気で4番目のキャリアの地位を狙っています。

先行投資をガンガン増やし、人口カバー率を当初の予定よりも5年前倒しにして、今夏96%に到達させようとしているのは、その覚悟の現れと言えるでしょう。


参考:楽天株式会社 2020年度通期及び第4四半期 ビデオプレゼンテーション資料

2月8日時点で累計契約申し込み数は250万人を突破しました。
楽天モバイルの1年間無料キャンペーンは300万人まで。
終了まであと50万人です。

【まとめ】楽天モバイルにとって2021年は勝負の年

今回の記事のまとめです。

・企業は現金があれば存続できる
・楽天は現金を集める仕組みが出来上がっている(金融事業と金融機関からの信頼及び期待値)
・楽天モバイルは赤字でも当面大丈夫
・今回の赤字は手持ちのキャッシュで十分補える
もちろん、いつまでも楽天モバイルが赤字で大丈夫というわけではありません。

楽天モバイルが他の3キャリアと並ぶためには、プラチナバンドへ対応が不可欠です。

プラチナバンドに対応するためには、総務省の認可が必要になります。楽天としては早急に「楽天モバイルは使える+α」の強いインパクトを世間に与えたいところでしょう。

そうすれば「楽天モバイル必要でしょ!だからプラチナバンド使わせてよ!」と総務省に迫ることが出来るからです。

ただ、そのインパクトは2021年中(遅くとも来年3月までの間)には示す必要があるでしょうね。時間が経つほど世間からの注目度が下がり、楽天モバイルの必要性を総務省に示すことが難しくなるからです。楽天モバイルにとって、この1年間は時間との戦いと言えるでしょう。

以上、楽天モバイルは赤字でも問題無しというお話でした。
繰り返しますが、1年間無料キャンペーンの終了まではあと少しです
まだ楽天モバイルに加入していない人は、今のうちに入ることをおススメします。

saiga(@saiganosumika1)がお送りしました。