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【モバイル広告の歴史を振り返る】ガラケー時代のネット広告(前編)

この記事は筆者の経験をもとに書いています。

主観・偏見が入り混じっていることを予めご理解ください。

私がとあるインターネット広告の代理店に入社したのは2000年代後半でした。

入社した会社が扱っていた商材はモバイル向けのインターネット広告です。

アフィリエイト、リスティング、純広告などなど。

良く知られている種類の広告は一通り扱っていました。

 

当時はモバイル関係の企業がこぞって上場を目指していました。

2000年にサイバーエージェントが上場して「ビットバレー」「ネットバブル」という言葉が有名になりましたが、数年経ってその流れがモバイル企業に流れてきたイメージですね。

 

私のいた会社もその流れに乗って上場を目指していました。

当時のモバイル広告業界は成長期。

会社の売上は毎年倍増していきました。

ガラケー時代のモバイル広告の歴史を支えたキャリア公式サイト

広告主はキャリア公式サイトを運営しているCP(コンテンツプロバイダー)が多かったです。

皆さんキャリア公式サイトって覚えてますかね?

i-modeとかezwebのページに「着うた」とか「着メロ」とか「着せ替え」っていうカテゴリがあってそこにアクセスするとズラッとサイト名が出てきたアレです。

あそこに掲載されているサイトがキャリア公式サイト(以下、公式サイトと呼びます)と呼ばれていました。

通信キャリアが公式に認めたサイトという意味です。

これらのサイトの最大のメリットはキャリア決済を使用できるという点にありました。

当時は決済方法が少なく携帯電話のコンテンツの決済を行うにはキャリア決済かクレジットカードかの2択でした。

キャリア決済が使えないと課金のハードルが上がり途端にマネタイズが難しくなったのです。

CPは自分のサイトを公式サイトにしてもらうために必死に取り組んでました。

auとSoftBankは比較的簡単に審査が通るんですが、docomoが厳しくてがっちりした企画書を作らないといけない。

当時の日本人口の半分はdocomoユーザーだったのでdocomoの公式化が達成できなければそれだけビジネスチャンスを逃すことになります。

私の会社ではサイトの公式化も請け負っていたのでPowerPointで100ページ以上の企画書を作ったりしてました。

入社してからはこういったCPに片っ端から電話して新規営業をかけていました。

商品はアフィリエイトとリスティングを良く売っていたことを覚えています。

今でこそリスティングと言えばGoogle広告一択になりつつありますが、当時は中小規模なものもいくつかありました。

クロスリスティングやジェイリスティング、サーチテリアがそれですね。

サーチテリアは数万円から開始できたので中小企業から人気のリスティングでした。

私が初受注したのもサーチテリアの販売だった気がします。

確か受注額は5万円とか微々たる金額でしたが、自分が0から切り開いたお客さんに出稿してもらえた時の喜びは今でも覚えています。

モバイル広告の歴史の影の主役ポイントサイト

当時の最強の広告媒体と言えばポイントサイトでしょう。

特にシステムの構造上比較的開始しやすい換金系のポイントサイトが山のようにありました。

換金系ポイントサイトではユーザーがサイトに掲載している広告にとったアクションに応じて換金ポイントを付与します。

例えばある着メロサイトの広告に対して「クリックして●ポイント」「会員登録で●●●ポイント」と案内があります。

ユーザーはその案内を見てアクションを考えるわけです。

クリックなら普通にやりますけど会員登録は考えます。

だって会員登録で200円相当の換金ポイントが貰えてもその着メロサイトの月額が324円だったら赤字になっちゃいます。

そのため、お小遣い稼ぎが目的のユーザーが殆どの換金系サイトへの出稿は、広告主の広告サイト(以下、広告サイト)の月額を上回る広告費が必要とされました。

換金系サイトが出来始めた頃は、月額324円の広告サイトを掲載するのに600円の広告費を払うなんてこともあったんです。

もちろん、そんなユーザーは翌月ごっそり退会していなくなります。

ユーザーにしてみれば換金ポイントを貰えれば広告サイトは用済みと言うわけです。

次第に換金系サイトは衰退していきました。

さらに換金系サイトを悩ませたのが不正登録です。

広告登録のシステムに不正アクセスして換金ポイントを荒稼ぎする輩が出ました。

こんな経緯もあって換金系サイトへの掲載をNGにする広告主も多かったですね。

モバイル広告の歴史の転換期、モバゲータウンとGREE

同じポイントサイトでも途中から誕生したmobage(当時はモバゲータウン)とGREEは凄まじく完全に他を圧倒しました。

モバゲータウンとGREEは換金ポイントを付与するのではなくサイト独自のオリジナル通貨を付与しました。

サービスを利用するユーザーはアバターと呼ばれる自分の分身を着飾るためのアイテムをオリジナル通貨と交換して手に入れます。

オリジナル通貨はサービスが広告サイトにアクションをとると手に入ります。

つまり換金系サイトではお金が手に入ったのに対してモバゲータウンやGREEでは同じアクションでオリジナル通貨が手に入ったのです。

これには利点が2つあります。

1つはユーザーがお金を目的にしていないということです。

そのためオリジナル通貨の交換額が広告サイトの月額費用を多少下回っても交換するユーザーは一定数います。

これにより出稿する広告サイトに幅ができました。

2つ目の利点は不正登録に強いことです。

オリジナル通貨はそのサイトでしか使えないため不正を働いてまで大量に獲得するメリットがありません。

上記2点の理由から退会率は多少高めだったものの(もちろん換金系サイトよりは随分とマシでしたが)モバゲータウンとGREEに出稿を希望する広告主は後を絶ちませんでした。

ポイントサイトの勝者と敗者は完全に二分されたことになります。

モバイルSEO対策について

一方でSEO対策についてはどうだったでしょう。

ガラケーを皆が使っていた時はモバイルの流入経路は検索エンジンのSEO対策よりも各キャリアのポータルサイトのカテゴリ順位の方が重視されていたように思います。

カテゴリ順位のアルゴリズムはユニーククリック数や登録数によってコロコロ変わっていて、みんな手探りで色々動いてた感はありました。

検索エンジンのSEO対策として当時主流だったのは被リンクの数ですね。

とにかく集団でサイトを量産して相互でリンクを張りまくって順位を上げている人たちとかいましたよ。

正直「こんなやり方が長続きするんだろうか」と思ってましたけど。

SEO対策の変わり種としては先述したクロスリスティングとジェイリスティングのディレクトリ登録という商品がありました。

これは数万円払うと両社が提携しているポータルエンジンにサイトを登録(掲載)してもらえるサービスで手軽に始められるので需要がありましたね。

 

さて、昔話は書いていたら止まりませんね。

どんどん当時のことを思い出してきました。

長くなってきたので本日はこれまでとさせていただきます。

 

続きは後編としてあらためて書きます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。