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【モバイル広告の歴史を振り返る】ガラケー時代のASPを語る(後編)

今回は「ガラケー時代のASPを語る」の後編をお送りします。

前編はこちらをご覧ください。

【モバイル広告の歴史を振り返る】ガラケー時代のASPを語る(前編)以前に前編と後編に渡ってガラケー時代のモバイル広告について書かせていただきました。 https://saiganosumika.c...

 

前編でモバゲータウンとGREEの誕生、DeNAとアドウェイズの躍進について書きました。

後編ではモバイル広告の歴史で大きな存在感を示したワンタグシステムについて触れ、スマートフォンの誕生によって業界がどう変わったかを書いていきます。

モバイル広告の歴史の中で大きな存在感を示したワンタグシステム

2000年代中期にモバイルのアフィリエイト広告が普及すると広告を出稿している広告主の負担は増えていきます。

大体の広告主は複数のASPに出稿しますが、その都度各ASPとの間で煩雑なやり取り(広告計測用のタグ発行・原稿手配・広告効果の確認・請求書や受領書の発行など)が発生します。

これが結構手間でして、月末になると煩雑な作業に追われて明け方まで仕事をしている担当者もいました。

 

この手間を省き、効率的にASPの管理をしようという考えのもと生まれたのがワンタグシステムです。

 

ワンタグシステムは複数のASPを繋ぎその広告効果を一括管理します。

広告主はワンタグシステムを使えばそれぞれのASPとやり取りをする必要はありません。

管理画面を見ればどのASPがどれくらいの効果を上げてくれているかを一元管理できます。

 

ワンタグシステムを導入することで広告主の負担は一気に軽減されました。

 

この革命的なシステムはモバイルのアフィリエイト業界で一時主流となります。

取り扱う業者も複数現れました。

 

今は無い会社もあります。。。

 

ASPにとってワンタグ業者は必ずしも良い存在ではありません。

確かにワンタグ業者はたくさん広告を出稿してくれます。

でもその広告は他のASPにも出稿されていることが殆どです。

アフィリエイトをしている人はわかると思いますが、いくつかのASPに登録して広告選ぶ場合、同じ広告なら単価が高い広告を掲載しますよね。

つまり複数のASPに同じ広告が出稿された場合、AS(アフィリエイトサイト)に掲載してもらうにはASPが利益を削るしかありません。

激しい価格競争になってしまいます。

 

実際に価格競争を挑んだASPもありましたが、真っ向からワンタグシステムを突っぱねたASPもありましたね。

DeNAやアドウェイズは強力なASを自社で囲っているので比較的強気でした。

DeNAやアドウェイズは直接やり取りして他のASPはワンタグシステムで一括管理するという方針を打ち出す広告主も多かったです。

スマートフォンの台頭とともに衰退するモバイルのアフィリエイト広告

モバイル広告業界のASPやワンタグ事業者のシェアの奪い合いを全て飲み込むできごとが起きます。

スマートフォンの普及です。

これはモバイルのアフィリエイト業界にとってまさにパラダイムシフトと呼ぶべき衝撃でした。

 

みるみるうちにガラケーのアフィリエイト広告の市場規模は衰退していきました。

モバイルのASPやワンタグ業者はスマートフォンへの移行に取り組みましたが、残念ながら彼らが主導権を握ることはできませんでした。

スマートフォンがガラケーよりPCに近い存在であることがその大きな理由でしょう。

ガラケーのノウハウしかないASPやワンタグ事業者ではPCの専門家たちには力及びませんでした。

スマートフォンのアフィリエイトはその後、PCのアフィリエイトを得意としていた企業がリードしていくことになります。

A8.netを運営するファンコミュニケーションズはその代表格です。

 


 

ガラケーのASPやワンタグ業者はその後どうなったかというと、アフィリエイトの代わりにクリック広告を主体にしたアドネットワークを開発した会社もありますし、完全に代理店業に転換した会社もあります。

幾つかの会社は残念ながら今はもう存在しません。

 

一時はあんなに隆盛を誇っていた業界が見る影も無くなるなんて当時は思いもしませんでした。

今はインターネットの世界の移り変わりの速さが身に染みています。

 

今回は2回に渡ってガラケー時代のASPについて記事を書きました。

私はインターネット広告業界に9年間在籍していましたが、企業の間で繰り広げられた栄枯盛衰を見ていると成功はいつまで続くかわからないことを痛感します。

今うまく行っても、それはすぐに時代遅れになる。

つねに改良と前進を続けていかなければなりません。

 

あらためてそのことを心に刻み今回の記事の締めにしたいと思います。

それでは今回はこの辺で。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。