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【モバイル広告の歴史を振り返る】ガラケー時代のASPを語る(前編)

以前に前編と後編に渡ってガラケー時代のモバイル広告について書かせていただきました。

【モバイル広告の歴史を振り返る】ガラケー時代のネット広告(前編) この記事は筆者の経験をもとに書いています。 主観・偏見が入り混じっていることを予めご理解ください。 私がとあるイ...
【モバイル広告の歴史を振り返る】ガラケー時代のネット広告(後編) この記事は筆者の経験をもとに書いています。 主観・偏見が入り混じっていることを予めご理解ください。 さて、昨日に...

当時を思い出しながら懐かしく記事を書いたのですが書き終わって気付きました。

 

そういえばモバイルのASPについて書いてないな…

 

今は殆ど無くなってしまいましたが2000年代後半のモバイル広告業界はモバイルASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)の戦国時代でもありました。

小さいのまで合わせると体感で100近いASPがあった気がします。

 

そんなASPのことを書いてないのは心残りなので今回の記事ではガラケー時代のASP戦国時代の状況を記事にしたいと思います。

皆さま何卒お付き合いください。

モバイル広告の歴史はASPと共にあり

1999年2月にNTTドコモが「iモード」を開始しました。

この時から携帯電話(ガラケー)でインターネットに繋げることができるようになりました。

iモードが爆発的に普及したことで他の2キャリア(当時はIDOとJ-フォン)もEZWebとJ-スカイ(現Yahoo!ケータイ)を開始しました。

 

2000年代に入ってからしばらくして着メロや着うた、デコメ、壁紙などガラケー特有のサービスがキャリア公式サイトとして開始され始めます。

それに伴いプロモーション手法も続々と編み出されます。

 

キャリア公式サイトを開発・運営するCP(コンテンツ・プロバイダー)にとって会員登録1件あたりに定額の報酬を支払うアフィリエイト広告は、予算の管理がしやすく使いやすい広告で、CPの増加に比例してモバイルのアフィリエイト広告の取扱高は増加していきました。

もちろんASPもどんどん増えていきます。

 

2000年代半ばの次のような主なモバイルASPが存在していました。

ASP 運営事業者
ポケットアフィリエイト 株式会社DeNA
Smart-C 株式会社アドウェイズ
アフィリ―ド 株式会社メディアフラッツ
モビル 株式会社ノッキングオン
アフィリエイトウォーカー 株式会社ゼイヴェル
Advanced Active Affiliate 株式会社モバイル・アフィリエイト
moba8.net 株式会社ファンコミュニケーションズ
アクセストレードモバイル 株式会社インタースペース

今は球団運営してマルチに事業を展開しているDeNAは、もとはモバイル広告のASPだったんですね。

当初はアドウェイズが運営するSmart-Cが広告数・アフィリエイトサイト数ともに業界トップでしたが、DeNAがとんでもないモンスターを自社メディアとして抱えるようになってから、少しずつ立場が逆転します。

とんでもないモンスター=モバゲータウン(現在のmobage)です。

ASPの仕組みとASP運営会社の活動内容

ここで少しASPの仕組みを解説します。

ASPはアフィリエイト広告という成果報酬型の広告を提供している事業者で、たくさんのアフィリエイトサイト(以下AS)を束ねているネットワークです。

引用:株式会社フルスピード アフィリエイト広告

多くの人になじみ深いアフィリエイターはASにあたります。

ASP運営事業者は自社のASPにたくさんのASに参加してもらうために勧誘を行いますし、同時に広告を出稿してもらうために広告主に営業をかけます。

いくらASがたくさんいても広告が無いとASPは大きくなりませんからね。

 

そのためASPには広告営業とAS営業の2種類の営業がいました。

 

2000年代なかばのアフィリエイト広告ではASは主に2種類に分けられました。

1つ目はアフィリエイターが運営するAS、2つ目がお金をインセンティブにユーザーに広告登録させる換金系のポイントサイトです。(換金系のポイントサイトについてはこちら

 

入会してもすぐに退会されてしまう換金系メディアに正直疑問はありましたが、数百人単位の会員登録を迅速に促す手段としては換金系のポイントサイトは当時唯一の手段だったと言っていいでしょう。

この2種類のASを奪い合うことと、CPからできるだけたくさんの広告を調達することに当時のASP運営事業者は注力していました。

どこのASP運営事業者の営業も泥臭く走り回っていたと思います。

モバゲータウンとGREEによって迎えたモバイル広告の歴史の転換期

先行者メリットもあり、アドウェイズはそんな奪い合い競争に勝利します。

2006年には同社は東証マザーズに上場を果たして順風満帆でした。

(実はこのあとアドウェイズって苦労するんですけど、あんまり詳しく書くとブレるので今回は触れず行きます。機会があればまた書きましょう)

 

アドウェイズの後塵を拝することになったDeNAが開発したのがモバゲータウンでした。

掲載された広告に登録してモバコインをもらい、それを使って自分のアバターを着飾るという仕組みで若年層に一気に受け入れられました。

広告主にとっても換金系のポイントサイトに掲載しても会員登録数はせいぜい数百件ですが、モバゲータウンに掲載すれば数千件獲得することも可能です。

とんでもない破壊力を持ったサイトをポケットアフィリエイトのASに加えたDeNAは向かうところ敵なしで規模を拡大させていきました。

 

いろいろあって上場後に勢いを失速させていたアドウェイズも反撃に出ます。

当時第二のモバゲータウンと呼ばれていたGREEと広告の独占配信契約を結び、Smart-CのASに加えました。

これでGREEに掲載されるアフィリエイト広告はすべてSmart-C経由で掲載されることになりました。

 

モバゲータウンと並ぶとはいかないものの、このインパクトとしては相当でした。

これでモバイルのASPの規模はDeNAとGREEが群を抜くことになりました。

他のASPはアフィリエイターと換金系のポイントサイト、中小のデジタルインセンティブサイト(モバゲータウンやGREEと似たようなサイトが出始めました)の奪い合いを続けることになります。

 

やはり長くなってしまいますね。

今回も前後編に分けて掲載させてください。

というわけで今回はここまでとさせていただきます。

 

なるべく間を空けずに後編も掲載します。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。